GOLD’S GYM Member Interview


武藤敬司(下写真・右側)
1962年12月23日生まれ。アメリカでの輝かしい実績を持ち、「プロレスリングマスター」と呼ばれる。必殺技はシャイニング・ウィザード。2001年2月に全日本プロレスに移籍。現在は、全日本プロレス代表取締役社長を務める。「武藤塾」塾長。
桑原弘樹(下写真・左側)
全日本プロレス・コンディショニングコーチ。「おいしさと健康」を追求するグリコのサプリメント市場参入の立役者であり、現「Team POWER PRODUCTION」プロダクトマネージャー。「武藤塾」では講師として栄養面を担当する「パワプロマスター」。

俺たちは非日常を求めるけど、
その作り方は合理的なんだ
その作り方は合理的なんだ
ゴールドジムでプロレスラーとメンバーの交流が進んでいる。その中心にある「武藤塾」。プロレスのノウハウを一般の人達に公開する試みは、どんな思いに支えられているのだろう? 塾長・武藤氏と講師・桑原氏が語る。
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- ゴールドジムで開催される「武藤塾」が好評ですが、武藤さんはゴールドジムと随分長くお付き合いいただいていますね。
- 武藤
- アメリカに行っていた頃、向こうでゴールドジムを利用したことがあって、これは良いなと思っていた。だから日本に初めてゴールドジムがオープンしたとき、ついに日本にも出来てくれたかと喜んだよ。それ以来の付き合いだから、もう13年になる。"Hammer Strength"っていうマシンが気に入っていて、よく背中を鍛えたりするんだけど、一般的な器具でやるのとは感覚が違うし、やっぱ効き方も変わってくるもんな。機材を一通り揃えている全日本プロレスにも、ゴールドジムに通う奴は多い。ここは、ストイックに肉体づくりに励む人が集まって来る所だ。「武藤塾」は、もう20回以上続いていて、俺が塾長で、江崎グリコの桑原さんが講師。教えるのはプロレスの技じゃなくて、肉体づくりの方なんだ。最近だと3月9日にゴールドジム東中野店でやった。基本的にプロレス好きが集まっているから、俺らがハッパかけたら、喜んでやる人が多い(笑)。でもこれからは一般の方たちにもっと入って来てほしいし、30回、50回と続いていくことを願ってる。俺は、そうやって少しずつプロレスが広まれば良いなって思うよ。
- 桑原
- プロレスラーがリングの上で見せているのは実は氷山の一角で、水面下にはものすごい努力やノウハウがつまっている。「武藤塾」でそれを体験できます。
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- 「武藤塾」で体験できる内容と、実際のプロレスラーのトレーニングとの間には、どんな共通点がありますか。
- 武藤
- 強さだとか、デカい筋肉だとかを求めるのって本能だよな? ここに俺たちはアプローチしてる。筋肉、それからスタミナにいつもテーマを置いて、日頃頑張っていたし、今もそうしている。俺たちのやってることの中には、健康になるとか元気になるとか、一般の人の目的に役立つものも多い。それを「武藤塾」で体験してもらってる。だけど実際のプロレスっていうのは俺たち職人しかやらない。素人が手を出さない非日常っていうかさ。職人には、一般の人とは違ったものが求められるんだ。プロレス論になっちゃうけど、俺ら、表現者だから、ビジュアルでまず惹きつけることを意識している。
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- 表現は肉体とつながっている?
- 武藤
- うん。プロレスラーの肉体っていうのは、悪く言ったら見世物なんだよ。ジャイアント馬場さんだって、アントニオ猪木さんだって、デカイからね。
- 桑原
- 規格外のものに人は惹かれるんですよ。特に肉体の規格外は分かり易くてインパクトがあります。
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- 規格を外れるためには、一般の人が実戦するには向かない、ある種理不尽な追い込みも必要でしょうか?
- 武藤
- 昔のプロレスのやり方は理不尽だったし、理不尽な人が多かった。25年前に俺がプロレスを始めた最初の5年間は、何かでたらめって言うかさ。水なんか飲むな! という時代で、ヒンズースクワットは1日3千回、根性論だよ。何が良く何が悪いじゃなくて、ただ、がむしゃらに大きくなる、強くなる、最高のプロレスラーになるために精進していた。無理やり飯を食わされたり、酒を飲まされたり。力道山が創り上げたものだから、プロレス文化はもともと相撲文化なんだよ。1日2食で、朝は食事をせずに5時間ぐらい稽古する。それから食べる。太るため、デカくなるための、自然のシステムだったんじゃないかな。
- 桑原
- ちゃんこにしても、一見理不尽に見える伝統的なものは100パーセントではないけれど、何割かは理にかなっている面があるんですよ。相撲のやり方も年齢を重ねるとメタボなどの問題が出てきますが、代謝の高い若いうちなら良いですよね。やっていることが結果につながるなら、それは理不尽ではないと思う。ひたすら我慢するだけ、何につながっているのかは分からない、というのが理不尽なのであって。
- 武藤
- 俺たちは何も相撲体型を目指しているわけじゃないから、今は食事をしてからトレーニングしている。最近はスレンダーなレスラーが流行ってるし、俺は「キレイサプリ」で4ヶ月かけて10キロ減量した。
- 桑原
- こういうところが武藤さんは柔軟ですよ。昔から、良いと思えばすぐに取り入れてくれます。
- 武藤
- 俺は誰でも信用するわけじゃないけど、結果が出れば信用する。桑原さんには最初にクレアチンを勧められた。もう10年ぐらい前かな。ベンチプレスでだいたい10キロぐらい上がったからビックリした。
- 桑原
- 日本で認可されると同時にクレアチンを販売しました。その時、どうしてもプロレスのシンボリックな存在である武藤さんに試してもらいたかった。ラッキーだったのは、武藤さんが肉体づくりに関して誰よりも貪欲な人だったこと。クレアチンの良さを理解してもらいやすかったですね。理不尽な頃のプロレスの発想ではこうはいかなかったでしょう。
- 武藤
- 今の時代、理不尽なんていらないよ。こっちだって、経費節減を考えなくちゃならない。
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- 経営者らしいお言葉です。
- 武藤
- 経営も肉体づくりもいっしょだよ。 うちなんか身体に例えたら、本当にヘルシー。健康体でしょうがないよ。代謝がいいもんな(笑)
- 桑原
- 武藤さんはアメリカで活躍して、日本に戻ってすぐにスターダムに上がれた。自分自身遠回りをしていないから、遠回りをしないメリットをよく解っている。理不尽なやり方で無駄に時間を浪費したりしない。そういう意味でも、一般の人の指導に向いていると思います。
- 武藤
- 実際、根性論には限界があるよな。1週間根性論やったところで、根性をもう少し落として1年やってる奴には絶対勝てない。さらに、もっと落として10年やってる奴には勝てない。俺たちは非日常を求めるけど、その作り方は合理的なんだ。そうしないと、もたないんだよ。
- 桑原
- 目的のために努力は必要なんだけど、理不尽ではなく合理的な努力でありたいですね。今、クオリティー・オブ・ライフという言葉が流行ってますけど、エクササイズや栄養の知識は絶対に生活の質に関わってくるものです。じゃあ、そういう知識を誰が沢山持っているかと言うと、プロレスラーなんです。プロレスラーのノウハウを活かして、多くの人のクオリティー・オブ・ライフに貢献する。これが武藤塾がやってる活動の意義ですよね。
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- クオリティー・オブ・ライフという言葉が出ましたが、武藤さん自身は生活の質についてどのようにお考えですか?
- 武藤
- 俺は思うんだけど、人間ていうのはさ、戦いの連続なんだよ。死ぬまで、それを拒否することはできないんだ。だったら、もっと良いとらえかたをしてさ、良い戦いっていうのかな? それをやりたいよな。幸い、俺はプロレスが好きで、プロレスのために生きている。実際かなりハードだけどね。経営のことを考えるのだって大変だ。キツイこといっぱいあるよ。だけど、これはこれで俺にとっては良いものなんじゃないかなぁ。楽をするのが目的じゃないし、大変なことも含めて俺は今まで環境に恵まれて来た方だよ。良い人生なんじゃないの? ぶっちゃけ、俺より素晴らしいレスラーってもう出ないんじゃないかな、って思うもん(笑)。

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